悪は滅び、感謝のギフトが降り注ぐ
遂にG1クライマックスBブロックの代表者が決定しました。
SANADA選手がG1初優勝決定戦に進むことができました。多くのファンが今まで期待し続けてきた想いにSANADA選手が応えてくれた結果だと思います。
これで決勝は飯伏vs SANADAのカード。正にG1に相応しい善も悪も無い個人闘争の頂点といえるカードが組まれました。
10.18はどちらが勝っても大喝采となるでしょう。、声は出せませんが。
個人的にはSANADA選手に勝ってもらって、新日本勢力図が大きく変わっていくそんな展開を期待しています。
そして敗れたEVIL選手。素晴らしい敗北でした。
Aブロックのジェイ選手もそうでしたが、このG1、Bブロック側にてEVIL選手は最低最悪のクソ野郎としての試合を続けて、メインを締める試合をとてつもないバッドエンドの空気にしていました。
あんな金的頼り、介入頼りの試合ではファンのフラストレーションは溜まる一方。故に勝利したときに多大なるハッピーエンドの空気を残すことができました。
この試合中でもディック東郷との介入連携でSANADA選手を痛めつけているときに、アリーナ席の子供が思わず声を大きくしてしまうほど。徹底したヒールムーブを我々に見せてきました。
あれほど徹底したからこそオコーナーブリッジが輝く、悪を倒し、観客が沸く、これこそ大昔から続くプロレスの王道であると思います。
感謝のギフトで締め括られたこの試合はBブロックの締めに相応しいフィニッシュでした。
そしてここからは僕個人がこのG1のヒール選手の活躍から思う、プロレスファンへの批判を書きます。不快に感じるかもしれませんので、ブラウザバックを推奨します。
現在ヒールムーブが金的や介入による、あからさますぎる反則行為に集中してしまっていること。多くのファンが苦言を発していますが、こういった反則行為に行き着いてしまう原因こそ現代プロレスファンにあるのかもしれないと僕は考えてしまいます。
昔のプロレスはプロレスという存在が限りなくリアルな存在として作られていました。それはネットというツールが無く、プロレスのプロモーションが会場やテレビ、活字媒体のみで行われるため、作り手側の求める世界観をファンが受け取る。一方通行のコンテンツ故にリアルかそうでないかを確かめるすべが無いからこそベビーとヒール、二つの対立が容易に存在出来たものと考えます。
しかし現代では多くのレスラーのリング外での姿をファンは見ることができます。むしろ現代ではそうしたリング外の部分で食いつかせる、そういったプロモーションを行っています。
この事は低迷したプロレス人気からの脱却を図った新日本の戦略上のことであり、結果として新規ファンを獲得していきプロレスの再浮上に成功しています。
ですがそれと同時にプロレスにあった構造そのものが変化してしまったのでは無いかと。
リング上で悪いことをしたとしてもSNSなどで素顔を見れば、本当はいい人だから。と思ってしまいます。
プロレスをプロレスとして見て楽しんでいただけるファンで有ればまだ良いかもしれません。
しかし今のプロレス、特に新日本ではロスインゴ旋風によってダークヒーロー崇拝文化が出来上がったしまったため、ヒールムーブも人気が有れば肯定される価値観でプロレスを見てしまうようになってしまいました。
つまるところ、ヒールとはヒールとして愛されるべきでありベビー側の選手への応援とは違うベクトルでなくてはいけない、その線引きが現代プロレスファンの中で消えてしまっている。
だからこそヒールの選手に必要なのは徹底して嫌われる存在を貫かないといけないことになってしまい、それが金的や介入、わかりやすいフラストレーションの溜め方に繋がるのではないかと思ってしまいました。
ファンの声援によって生まれるダークヒーローの存在に善と悪の価値観を破壊された結果が今の新日本プロレスのヒールであり、今年のG1だったんだと思います。
ハッピーエンドを作るためには嫌われる悪役が必要。その事をファンがどれだけ認識していくことができるか、そして新日本運営側がいかにしてファンに認識させていくかが重要となります。BCは内部分裂の可能性が起こり、オスプレイは新ユニットを立ち上げる、タイチも今のまま鈴木軍でいるとも考えにくい、そんな現状でヒールの価値、ヒールの存在、反則行為への捉え方をこのSNSによる時代に少しずつ適応させていく事が今後の課題となっていく事とそう思いました。
まぁ何が言いたかったていうと…
EVILの金的下手なままG1終わったって事！
