人生ってプロレスだ

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令和に蘇るは天才の遺伝子

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8.26 後楽園 KOPW1回戦が遂に行われました。実際に試合が行われるまで賛否両論あったことでしょう。未知のこと故批判の声が多かったかもしれません。昔からの新日本ファンであれば、ストロングスタイルからかけ離れた、特殊ルールでの試合というものに抵抗があったはずです。
皆さんが楽しめたかどうかはわかりませんが、僕は今回のKOPW1回戦、大いに楽しめました。


やはり一番良かったのは、僕の推しであるSANADAvsSHO サブミッションマッチでした。
現在プロレス会場では歓声をあげることをウイルス感染防止の観点から禁止しております。
サブミッション中心の試合では、派手さがなく、場内の声援も無ければとても地味な試合になるのではと思っていました。
が、サブミッションの入り方そして抜け方、フィニッシュに持っていく組み立て。まさに一瞬たりとも目が離せない熱い攻防を見ることができました!




今回の試合ではSHO選手は腕ひしぎ十時に持っていく為、肩関節を痛めつける技を中心に。SANADA選手はスカルエンドで決める為、首中心に技をかけていくのかと思っていましたが、今回は膝攻めの技をかけていきました。この膝攻めで恐らく多くのファンが、もしかしてフィニッシュはあの技か?と期待したことでしょう。


試合後半、SHO選手の連続スープレックスが開始し、1発、2発とSANADA選手の意識を刈り取っていき、3発目に入るかと持ち上げた瞬間腕ひしぎ十時に移行。意識の外側からくるサブミッションに完全に極まったかと思いきや、身体ごと持ち上げてのTKOが炸裂!ジュニアの上背ながら90キロを超えるSHO選手の肉体を不利な体制から持ち上げるSANADA選手のパワーに驚愕です。そしてうつ伏せのSHO選手にラウンディング・ボディプレスが入り、完全に動けなくなった状態から足4の字固めを極めていった。身体を入れ替えて逃れようとするが、完全に極まった4の字固めからは逃れられず、SHO選手無念のギブアップでした。


今回のサブミッションマッチ、正直SHO選手が勝つかもしれないと思っていました。試合後実況で話されてましたが、ご家族の不幸があり、今回サポーターに親父さんのメッセージが描かれていたそうで。さらにタッグを組んでるYOU選手が試合できない中、インパクトを残さなければならないという熱い想いがあったはずです。
しかしながらこの試合はサブミッションマッチ。レスリングテクニックがものをいう試合。そして何より勝敗を分けたものはプロレスへの美学だったのではないでしょうか。
今回互いにサブミッションフィニッシュとして選んだものは腕ひしぎ十時と足4の字固め。この2つの技はかつてあった格闘技とプロレスとの対立という軸を象徴する技です。

過去UWFが台頭した際、4の字固めはプロレスでしか通用しない技だと思われ始めていたそうで、しかしそんな中行われましたUWFと新日本の試合、最後に勝利したのは武藤選手の足4の字固めでした。
ご存知の通りSANADA選手は武藤選手との関わりがあります。SANADA選手は師武藤選手と同じく、プロレスの美学を持つ方です。その美学が試合の明暗を分けたのではないでしょうか。
サブミッションマッチでありましたが、この試合は総合格闘技のフィールドではなくプロレスなんだよ、そんなメッセージをSHO選手に伝えたかったのかもしれません。

しかしながら試合の中SHO選手は何度もSANADA選手を追い詰めていました。決して2人の距離は遠いものではないでしょう。これからもこの2人が名勝負を作っていく可能性が見えました。SHO選手のネクストステージはこの試合から始まるのもしれません。